"トンチキ"を愛するヲタク、Sexy Zoneのトンチキソングについて語る

先日突如としてTwitterトレンドワードランキングに登場した「トンチキソングメドレー」なる言葉。かの超国民的音楽番組ミュージックステーションのクリスマスSPにて、ジャニーズトンチキソングメドレーが行われることを受けてのトレンド入りでした。

ここで当たり前のように使われている「トンチキソング」とは、そもそも何なのでしょうか。ジャニーズのトンチキソングを番組で紹介し、今回のトンチキソングメドレーのきっかけを作ってくださった立役者であるヒャダインさんは、このように述べられています。

 

「トンチキソング」とはなにか、を説明させていただきます。
まずはっきりさせておきたいのが所謂「コミックソング」ではない、ということです。
コミックソングはそもそもの制作意図として、「コミカルなものを作ろう!」という動機がありますが、トンチキソングはそうではなく「わけがわからないんだけど制作陣や歌手が本気、真剣に取り組んでいる楽曲」とでも定義しましょうか。
決して笑かそうとしていないんですね。

https://www.utabito.jp/feature_article/5950/

 

「トンチキソング」とは、制作意図の第一に「笑わせること」があるわけではなく、本気かつ真剣な雰囲気でありながら、わけのわからなさのある楽曲、ということでしょうか。

私は、この「本気かつ真剣な雰囲気」というのがトンチキソングのキーポイントだと思っています。ここでの「本気」「真剣」は「真面目」とも言い換えられるかもしれません。この本気さ、真面目さ、真剣さは、衣装にもパフォーマンスにも、そしてもちろん歌詞にも貫かれています。一見わけがわからないトンチキソングですが、その真剣さを感じ取った時、トンチキの真の魅力が現れてくるのです。

そして、トンチキ=真剣とするのであれば、トンチキソングを「これはトンチキソングです」と提示されてしまうと、それはもうトンチキとは呼べないのではないか、とも思ってしまいます。トンチキソングとはあくまでも、パフォーマンスする側はトンチキだと思っていない(ように見える)のに聞き手にはトンチキに聞こえるものであるからです。つまり、トンチキソングメドレーなるものはそもそも成り立たないのではないか…………。

 

と、ごちゃごちゃ考えてはみたものの、トンチキの解釈は100人いたら100通りあって当然だと思います。人には人のトンチキがあり、あなたがトンチキだと思えばそれはもうトンチキなのです。トンチキはどこまでも広く深く、懐の深い概念です。なので、トンチキソングメドレーもシンプルにとても楽しみにしています。

 

さて、今回はこのトンチキソングの中でも、Sexy Zoneのトンチキソングについて語りたいと思います。Sexy Zoneは、トンチキソングメドレーの宣伝においても数十秒の動画の中で2曲も楽曲を取り上げられている、トンチキ強者なグループです。Sexy Zoneのトンチキソングは、真剣で大真面目でカッコ良い、なのに歌詞の様子がどこかおかしく、そしてその様子のおかしな歌詞にも大真面目で真剣な筋が一本通っている、実に見事な楽曲ばかりです。

今回はそんなSexy Zoneトンチキソングについて私の個人的な見解を書いていこうと思います。

 

①バィバィDuバィ〜See you again〜

https://sp.uta-net.com/song/153311/

言わずと知れたジャニーズトンチキ代表曲。なぜドゥバイなのか、なぜDuバィ表記なのか、なぜイは小さいのか。ドバイが選ばれた理由は、ジャニーさんが行きたかったからだと番組で明かされましたが、それにしてもわけのわからなさは上げればキリがありません。

ただこの曲は非常にエモーショナルな楽曲でもあると思います。それがよく表れているのがこの歌詞です。

サンキュー 心から シュクラン また来るよ
世界一になれるその日まで
グッバイ ドゥバイ

ナンバーワンが溢れているドゥバイに、今度は僕たちも世界一になって来るよ、そのときまでグッバイと語りかけているわけです。当時のSZはまだデビュー2年目。幼さの残る彼らが、ナンバーワンになる決意を朗らかに歌い上げるエモーショナルさといったら最高のひとことに尽きます。

 

Sexy Summerに雪が降る

https://sp.uta-net.com/song/136095/

Summerなのにメリークリスマス、なのに発売日は10月という季節感トンチキなこの曲。ただこのごちゃごちゃな季節感は全て、

一年中の愛をこめて

というフレーズを引き立たせるためのものだと思います。ここが、「一年分の」ではなく「一年中の」なあたりが芯があって素敵です。夏だろうが冬だろうが秋だろうが、SZの愛の前には関係ないのです。

また、かなり限定的な解釈ではありますが、南半球の国の子に恋をした日本の子の曲として聴くと、またひとつ見え方が変わってくるかと思います。

ただ、僕の心のSexy Sexy Zoneが何なのかは全くわかりません。

 

③Hey you!

https://sp.uta-net.com/song/181683/

この楽曲も、SZファンの方がトンチキソングとして挙げていることが多い印象があります。この曲は、幼なじみの女の子との恋愛を描いた楽曲だと思います。小さな頃から自分より背が高くて、ハイヒールのよく似合う勉強の得意な幼なじみと、ケンカすることもあるけど一生懸命恋をしているボクの曲。こうまとめるとむしろどこがトンチキなの?と思われそうですが、この楽曲の圧倒的トンチキポイントは

Hey you! 君はハンバーガーで Say so! ボクはスウィーツ
飲み物だけはいっしょにしよう!

そして、

歩道橋 眺めていようぜ

という歌詞です。飲み物だけはいっしょにしよう…?歩道橋を眺めるの…?浮かぶ疑問は、歌詞の全文を読むとひとつの物語の中として解消されます。この曲に登場する"君"はどうやらボクより少し大人びた女の子らしく、お店でもスウィーツではなくハンバーガーを頼みます。一方ボクはスウィーツを食べたい。だからせめて飲み物だけは一緒にしようね、と言っているわけです。本当にハンバーガーを食べる人とスウィーツを食べる人の飲み物が一緒にできるのかどうかはさておき、ばらばらな僕たちだけどひとつくらい一緒にしようという男の子のいじらしい気持ちが透けて見えてたまらない気持ちになります。(いちばん最後に「口では徹底的に負ける」という歌詞があるので、飲み物は一緒にしようという提案は女の子からの反論でナシになったのかもしれません。)そしておそらくこれは、お店に並んでいる最中の会話なのです。1時間待ちのお店の外で歩道橋を眺めながら何を食べるか相談している可愛い恋人同士の絵を思い浮かべると、最高にきゅんきゅんします。

 

④ぶつかっちゃうよ

https://sp.uta-net.com/song/159740/

この曲だけは、最初から最後までまったくよくわかりません!!!!!!!(大声)

「目を閉じて任せなよ」というならぶつからないでくれ!!!!危ない!!!!ただとにかく"君"に夢中なことは伝わってくる!!!!!ルンルンルルルルンルルルルンルン!!!!!

 

 

トンチキの世界は奥が深い。